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金子 稚子

金子 稚子(カネコ ワカコ)

現 職

終活ジャーナリスト
ライフ・ターミナルネットワーク 代表

略 歴

雑誌・書籍の編集者や広告制作ディレクターとしての経験を生かし、誰もが必ずいつかは迎える「その時」のために、情報提供と心のサポートを行っている。当事者の話でありながら、単なる体験談にとどまらない終末期から臨終、さらに死後のことまでをも分析的に捉えた冷静な語り口は、各分野の専門家からも高い評価を得て、医療関係や宗教関係などの各学会や研修会でも講師として登壇。さらに、生命保険等の金融関係、葬儀関係、医療・福祉関係、医薬品などの各種団体・企業に対してや、行政、一般向けにも研修や講演活動を行う。また、多死社会を前に、人々の死の捉え直しに力を入れ、真の“終活”、すなわちアクティブ・エンディングを提唱。多岐に渡るさまざまな情報提供とともに、自分で「いきかた(生き方・逝き方)」を決める必要性を訴えている。

著書に『アクティブ・エンディング〜大人の「終活」新作法〜』(河出書房新社)、『死後のプロデュース』(PHP新書)、『金子哲雄の妻の生き方〜夫を看取った500日〜』(小学館文庫)。編集制作・執筆に『親の看取り〜親が倒れてから、介護・療養・終末期のすべて〜』(e-MOOK 宝島社)。

一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問
医療法人社団ユメイン野崎クリニック顧問
夫は、2012年10月に他界した流通ジャーナリストの金子哲雄氏。

<経歴>
1967年、静岡県生まれ。静岡女子短期大学(現:静岡県立大学短期大学部)卒業。出版社勤務後、フリーランスの編集者として、サッカーや海外留学など数多くの雑誌や書籍を制作。その後、広告制作会社の経営に参画。役員を兼務しながら、ディレクター、プロデューサーとして制作業務にも従事。
2011年の夫の流通ジャーナリスト金子哲雄の病気発覚後は、闘病を支え、患者とその家族でありながら、夫とともに医療現場や死の前後の実情を体験的に取材することに。
2012年、夫の死の直後、四十九日に合わせて発行された金子哲雄著『僕の死に方エンディングダイアリー500日』(小学館)の執筆ならびに編集制作補助に携わる。
現在は、死の前後に関わる専門家や患者、死別経験者への取材を重ねながら、誰もがいつかは必ず迎える「その時」のために、各メディアや講演活動、大学の市民講座などを利用した情報提供や心のサポートなど、精力的に活動中

講演テーマ例と概要

死ぬことと、生きることは同じ
夫の闘病とその死に寄り添った経験、加えて多くの死別経験者への取材から見えてきたことをお話します。誰もが「死」は怖いと感じます。それはなぜなのでしょうか。それは「死」がわからないからです。正解も、答えすらありません。しかしながら、一人の人間の死に、家族として深く関わったことから見えてきたことはあります。死にゆく人がどのように変わっていったのか、周囲はどのように支えていたのか。多くの人が亡くなっていく多死社会を前に、「死ぬこと」について、正面から考えます
家で死ぬ、ということ~家での看取りは怖くない~
今、国は在宅医療、すなわち病院ではなく、家で最期まで過ごす方針を推進しています。しかし、多くの日本人にとって「死」はとても遠いものになってしまいました。病人が家にいて、何かあったらどうしようという不安ももっともです。でも大丈夫です。死についての少しの学びと、専門家との信頼関係をしっかり結ぶことで、死が貴重な機会であることに気づくことができるでしょう。大切な人との死別は、悲しみだけではない、その後の自分の人生において、非常に大切な何かを得られる可能性を秘めています。在宅医療を受けながら、自宅で死ぬ心得と準備について、家族を看取る心得と準備について、経験を交えてお話しします
アクティブ・エンディング~大人の『終活』新作法~
「『い(生・逝)きかた』は、自分で決める」。終活とは、死ぬための準備ではありません。それは、人生の幕引きに向けた「生き方」を自分で決めることです。ではどうしたらいいのか、その具体的な内容についてお伝えします。また、終活とは、自分ひとりで行うものでもありません。自分の「いきかた」で、残される人を力強く支えることもできるでしょう。家族で考える「終活」を提案します
40代から始めるアクティブ・エンディング~40代からの実践的『終活』とは~
経済が不安定で、収入も上がらない。両親の介護を担うことを前提にすると、自分の老後なんてとても考えられない……。そんな不安を抱える人も多いことでしょう。でも、40代だからこそできる実践的な『終活』があるはずです。今、40代の人たちには、現在の高齢者とはまた違う未来の環境があります。ワーキングプアだったら、おひとりさまだったら、どうしたらいいのか。今から始められる「老後の準備」、「終活」をお伝えします
死って、悲しいだけなの?~悲しみを力に変える~
死には種類があることを知っていますか? 1つは「一人称の死」、自分の死のこと。1つは「三人称の死」、家族や友人知人ではない人=誰かの死のこと。そして最後の1つは「二人称の死」、大切な人の死のことです。大切な人の死に際した時、私たちは想像を絶する悲しみに苛まれます。心身の不調を訴える人もいるでしょう。しかし死は、悲しみ“だけ”をもたらすものではないことが、自分自身の経験や多くの死別経験者との対話からわかってきました。死別経験の、プラスの側面について取り上げ、自分の死ではなく「大切な人の死」について考えることで、死の別の面に触れてみます
人は死別が辛いだけではありません。~死に関わる専門家に伝えたいこと~
死の前後にはさまざまな専門家が関わりますが、大きく分けると、医療・福祉関係者と葬儀・供養関係者といえるでしょう。それぞれが非常に高い意識を持って、目の前の人に関わっていますが、逆にその専門性の高さが要因となって、私たち当事者からすると、死に際して味わう必要がないだろう苦しさを感じることがあります。そこで、医療サービス、福祉サービス、あるいは葬儀・供養のサービスを受ける私たち当事者から見た現実を伝えるとともに、私たち自身は何をすべきなのかもお話しします。地域包括ケアシステムは、死から立脚して考える方向性もあるのではないかと考えます

主な実績

<出演番組>
CX 「ノンストップ」、NTV 「NEWS ZERO」、JFN 「OH! HAPPY MORNING」 ほか。

主な著書・関連図書

【著書】 
金子稚子著書 『金子哲雄の妻の生き方 夫を看取った500日』 (小学館 2014/2)
(「BOOK」データベースより)
突然の余命宣告。絶望の中でやがて彼は「命の始末」と向き合い始める。その臨終までの道程に妻はとことん寄り添った。出会いから別れまでのせつなく愛しい12年間…。これは売れっ子流通ジャーナリストの妻のしなやかな生の記録である。
金子稚子著書 『死後のプロデュース』 (PHP研究所 2013/7)

 ※Kindle版はこちら

(Amazon内容紹介より)
流通ジャーナリストとして活躍していた金子哲雄氏。その妻で編集者の金子稚子氏が、死の準備とエンディングノート、夫妻の「引き継ぎ」について語る。金子哲雄氏が、死の準備に積極的に取り組んだことはすでに知られている。葬儀に限らず、生前にさまざまなことを稚子氏に頼んでいる。しかし、エンディングノートは残していない。なぜなら、時間をかけて、妻・稚子氏に十分な引き継ぎをしていたからだ。結果的に稚子氏は、その引き継ぎによって、残された者たちが「悲しみすぎない」生活を送れることを実感する。大切な人を亡くした、厳しい悲しみは決して癒されるものでも、乗り越えるものでもないのかもしれない。しかしこの時、大きな支えになるのが引き継ぎではないか、と考えた。悲しみは悲しみとして抱えたままでも、それはそれとして次に進むために。残す人も残される人も参考にしたい、生と死を冷静に見つめる一冊。
(「BOOK」データベースより)
自分が生きてきた証を残すためでなく、自分の死後を始末するためでもない、「引き継ぎ」とは一体どういうものか。残されるものとして、パートナーとどう接していけばいいのだろうか。死という“点”をとおして、夫婦とは、結婚とは、そして、ともに生きる意味とは何かを考える。
金子稚子著書 共著 『医療コーディネーターになろう』共著 (克誠堂出版 2014/10)
(書評:南雲吉則(ナグモクリニック総院長)
私はこの手の「医療の現場を解説した本」を読むのが苦手である。医療現場の問題点を赤裸々に描写し,悲しみ苦しむ患者の姿と,それにどう対処していいやらうろたえる医師の姿を見るのは,己の日常を暴かれた感がして,心苦しくなってしまうからである。しかしこの本は意外にも一服の清涼剤のように,あっという間に読み終えて,しかも心身にみなぎる力を与えてくれた。
それはこの本の巧みな構成にある。この本は2部構成になっている。第1部は,患者とその家族の立場から見た終末期医療のドキュメンタリーである。そして第2部は医療現場の難問を解決する医療コーディネーターという職業の解説である。
二つの相対する立場から語った物語は,あたかも芥川龍之介の「藪の中」のように光と影を交錯しながら,一つの織りなすストーリーを形成してゆく。そしてその中から浮かび上がってくる一筋の希望の光。その光の中には意外な人物が登場するのである。その人物とは……。私の書評はもうこれで十分であろう。
この本を医療コーディネーターの入門書として使うも,患者の闘病記として読むも,読者の自由である。しかし人が生老病死の定めを負うものなら,だれもが医療現場での紛争当事者となりうる。この本はそのときに希望を失わず前に進むための「人生の必携書」といえるだろう。
【関連図書】 ※金子哲雄氏の本
金子哲雄著書  『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』 文庫 (小学館 2014/2)
(小学館 書籍内容より)
「命の始末」を綴ったベストセラーを文庫で「時間を忘れて一気に読んでしまった」「こんなに涙が止まらなかったことは初めてです」「これからも何度も読み返すと思う」「悲しいけれどあたたかい気持ちになりました」・・・世代、性別を越えて、異例ともいえる数の感想が今も寄せられ続けています。突然の余命宣告。絶望の中で、やがて彼は自らの「命の始末」と向き合い始める。その臨終までの道程は、とことん前向きで限りなく切なく愛しいものでした。これは、41歳で急逝した流通ジャーナリストの見事な死の記録です。
金子哲雄著書  『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』 単行本 (小学館 2012/11)
(小学館 書籍内容より)
金子哲雄さんの切なく愛しい死の記録
2012年10月、「肺カルチノイド」という急性の難病により、41才という若さで急逝した流通ジャーナリスト、金子哲雄さん。死期を悟った金子さんは、会葬礼状まで生前に用意して、自分の葬儀を自分でプロデュース、自らの死をも「流通ジャーナリスト」としての情報発信の場にしたのでした。まさに、みごとというほかないその最期・・・。しかし、彼が「余命0」宣告を受け入れて死の準備を整えるまでには、乗り越えなければならない悲しみ、苦しみ、そして何より、最愛の妻を残していくことへの葛藤がありました。死の1か月前から、最後の力を振り絞って書き上げた本書には、その一部始終が綴られています。